東京DLの危機管理に見えるもの

観光リピーターの創造作戦

 3月11日の東日本大震災の発生からもう4カ月が過ぎた。

 地震、津波、そして原発事故による厳しい被害を受け、一時は日本国中が打ちひしがれた状態になった。そして、今も避難者の数は一向に減らず、被災地の生活は依然として苦しく、復旧、復興は遅々として進んでいないのが実情で、その様子はTV・新聞などが連日伝えている。

 また、最近は本屋などでも「災害関連コーナー」を設けて、多くの写真集や災害関連の書籍が並んでおり、大震災の国民の関心はまだまだ高い。

 今回取り上げるテーマーは、東日本大震災そのものではなく、地震発生当日の東京ディズニーランドの危機管理に、「まちづくり」に関連して多くの学ぶところがあり取り上げてみた。

 

地震発生時のディズニーランドの対応

 3月11日、当日ディズニーランドとディズニーシー(以下TDLと表示)両方合わせて約7万人の入場者があったと報道されている。

 限られたスペースにそのような大勢の人が集まっている場合は、パニックが一番警戒しなければならない事であるが、TDLのスタッフは慌てることなく、まずお客を落ち着かせ、冷静になったところで整然と避難誘導を行った。

 また帰宅困難者には寒さ対策にも気を使い、不安なく夜が過ごせるように飲食物の配給も全員に十分行き届いたようである。

 TDLでは、正規社員であろうがアルバイトであろうが、全ての職種や職場に業務マニュアルがあって、従業員はそれに基づいて仕事をしていると一般的には思われがちである。

 しかし、危機管理マニュアルが完璧に備わっていても、訓練を繰り返し行っていても、いざ非常事態が発生するとマニュアル通りにも訓練通りにも進まないのが現実である。

 お客の対応の良さや協力もあったであろうが、各種報道も絶賛しているように、TDLの避難誘導やその後の対応は見事であったといわれている。これらの状況はユー・チューブの動画映像で今でも確認する事ができる。

 何が起こるか、どのようになるのか全く予測できない事態に、慌てたりすることなく沈着冷静に対応できたのは、マニュアルや繰り返し行ってきた訓練の上に、何かプラスの物が従業員に根付いていたと考えるべきであろう。

 大地震という非常事態が発生したとき、その時、その場に何が必要で何が最善かを考え、そして行動に結びつけたのが今回のTDLの従業員で、従業員はマニュアル以上のこと、否、マニュアルを逸脱した行動を行ってその場を救ったのである。

 標準は標準であって、時と場合にはその標準を逸脱する事が求められ、まさにプロ意識の芽生えと行動力の発揮が今回のTDLで実践されたということである。

 

まちづくりともてなしの心

 このような事は観光客を受け入れるまちづくりにおいてもいえる。即ち、来訪者を「もてなす」という事は、極端な言い方をするならば、「決められた標準通りにやる事ではなく、その標準をいかに逸脱するか」であるともいえ、まちづくりにおいても理解すべきポイントになる。

 しかし、この事は取り決めや標準が無くともよいという事ではない。まちづくりにおける「もてなし」は、一人ひとりのその場に応じた判断に任されることが多く、マニュアルや規則を前面に打ち出すのは、観光客や来訪者にとっては冷たい印象を受けかねないため、個人的判断と犠牲的サービス、そして自主的・自発的な個人対応が求められるということです。

 人と接するときには、時と場合、相手の気持ちなどを総合的に考え、標準書にないことや、もっと重要でやらなければならない事が生ずるものであるが、その時々の行動が如何にできるかを養うためには、やはり標準書の準備と日ごろの訓練が非常に大切になってきます。

 

TDLのサービスの根源

 大分過去の話で恐縮ですが、TDLのサービスの一例を紹介します。

≪ある日、若い夫婦がレストランで「お子様ランチ」を注文した。マニュアルでは8歳以上には提供しない事になっているので、店員は決まりを話してできない旨を伝えたが、二人の悲しそうな素振りを見て訳を聞いてみた。

『直近に幼い子供を亡くしたのであるが、その子供がディズニーランドに来るのを楽しみにしていた。今日は親子3人で食事をする事にし、亡くなった娘の分もとお子様ランチを注文した』というのであった。

 店員は一度奥に引き下がったが、暫くして『お客様、喜んでお子様ランチをつくらせていただきます』といって、子供用の椅子を用意し、テーブルには3人分のランチョン・マットを敷き、『ごゆっくりお召し上がりください』といって食事を出してきたという話です。≫

  これは一つの例ですが、このようなサービスが生まれる素地がディズニーランドには培われているからこそ、全国から多くのお客が訪れ、リピーターが楽しみにする施設になれるのだと思います。                       ≪2011年7月 福山≫

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