観光ガイドの魅力

地域によっては産業観光と称して、工場見学や体験学習的な行事と結び付けた観光ガイドでまちづくりに成果を挙げている所もありまあす。

佐倉の場合、類別をするならば文化ボランティア活動の一つとしてのガイド活動が活発に行われているというのが特徴といえるでしょう。

所謂、歴史・文化的な『物や場所』、『史跡・景観、建造物』、などを対象にしたガイド活動が活発です。

 

1.文化ボランティア

 「文化」を「知識や技術の向上によって物心両面で暮らしが豊かになる状況」と広義に解釈するならば、音楽を聴いたり、絵を描いたり、鑑賞したり、本を読んだりすることも文化になるかもしれません。

また、ボランティアはイコール福祉活動と理解した時代もかつてはありましたが、現在はボランティアの定義は広分野に渡っており、文化を盛んにする活動も立派な文化ボランティア活動の一つです。

 

 文化ボランティアは、「文化に自ら親しむ事だけではなく、他の人が親しむのに役立ったり、お手伝いをするような活動」全体で、例えば、文化イベントに裏方として手伝ったり、切符を捌いたり、集計したり、駐車場の整理などの活動も全て文化ボランティアといえます。

 理屈ぬきに歴史を訪ね史跡を巡る案内、町中を散策する案内、また文化施設の案内を行う観光ガイドはなどは、最も分かりやすい文化ボランティア活動の一つといえるでしょう。

        

だいぶ以前の話ですが、某新聞社が実施した『やってみたいボランティア』のアンケートで、文化・教育に関係した、いわゆる文化ボランティアがベストテンにいくつも入っていました。

これなどは、ボランティアをやるなら趣味や特技を活かし、知的好奇心を満たす活動に多くの人が魅力を感じている証でしょう。

佐倉旧城下町地区の景観や城跡、歴史的建造物などを巡るとか、旧堀田邸のような、本格的な木造和風建築の閑静な雰囲気の下で、自分を磨き、豊かな時間を過ごせるガイド活動などは、すばらしい文化ボランティア活動だと思います。

 

社会に役立つときれい事も大事でしょうが、自分の好きなことや文化を通じて自主的な活動に取組むことで、親しい仲間をつくり自分自身の成長にもつながっていく観光ガイドが魅力的な事は確かでしょう。

 

2.ガイド活動とおもてなしの心

(1)ガイドを構成しているのは、

  • 会話(個人としてのコミュニケーションで相方向の意思疎通)
  • 説明内容(案内対称に物に対する専門知識、関連知識。一般的な知識も必要)
  • おもてなし(親切やホスピタリティー。マナー・エチケットも必要)

(2)城下町のガイドをした来訪者から後日寄せられるお礼の言葉に、「皆さんのご苦労

   やボランティアに頭が下がります」という言葉や、「佐倉が好きになった」とか、

    「また今度友達と一緒に・・」、「親を連れて・・」という言葉をみる事がありま

   す。

 

(3)お客様がその地を訪れるのは、何かしらの感動を求めて訪れるのではないでしょう

   か。私どもガイドの説明を受け、その案内を楽しむ中に、少しでも心の潤いや豊か

   さを感じて頂けるならば、ガイド冥利に尽きます。

 

 

(4)最高のおもてなし

   来訪者や観光客の目的達成を手助けし、佐倉を堪能してもらう為の手助けをするの

   がガイドとしての役割ですが、その結果が期待以上になって、「又来たいと思って

   もらえる、他の人にも勧めてあげたい」という気持ちになってもらえれば、おもて

   なしは100パーセント以上つくしたに違いありません。

 

 3.観光ガイドの魅力

(1)趣味や特技を生かし、楽しみながら社会貢献できる

   仮に歴史などに趣味が無くても、フィルドに出て町並みの変化を楽しんだり、歴史

   建造物の荘厳さや閑静な空間に浸るなどの機会に恵まれ、豊かな自分作りが実現で

   きる。

(2)学習や特技を深められる

   「もっと学びたい」、「趣味や特技を深めたい」といった、自分の生涯学習のテー

   マ発見とか、仲間と共に学ぶ機会や活動場所が提供される。

(3)継続的、且つ日常的に活動が出来る

   グループに所属していることでガイドを行う担当の調整が可能となり、自分の暮ら

   しのリズムに合わせて活動日を決める事が出来る。従って、活動を継続する事がで

   きるのも大きな魅力である。

(4)学び合い・気付き合いの場

   研修とか学習会などの集まりがあり、性別、年齢、立場などを越えてメンバー同士

   の親睦の場がある。

(5)まちづくりにつながる活動

   趣味ややりがいをきっかけとした活動が、結果として地域の活性化や魅力あるまち

   づくりに結びつき、社会貢献に寄与する事につながる。

 

4.観光ガイドの責務

 ガイドを行うためにはその施設や対象についての知識が求められます。しかし、いくら歴史について知識が豊富で詳しくとも、又、文化についての見識や経験があっても、それをうまく関連付けて相手に伝えられなければ上手なガイドとは言えません。

 ガイドするということは、ガイド対象物や場所に関する知識や関連事項、又、一部専門的な知識を要求されるなど、ガイドの為の自分の≪引出≫の整理が必要になります。

 

 しかし、ガイドの実践においては、一人よがりになって一方的にしゃべるガイドでは相手に不快感を与え、また、細部に渡り過ぎる退屈な案内になってもいけないでしょう。

 来訪者個々の要望や目線に合わせてガイドストーリーを組立て、町の散策、施設や展示物等を回りながら、応変力を持ったTPOで話を進めるテクニックやスキルが求められます。

 即ち、ガイドの六つの要素といわれる、「人としての印象」・「会話力」・「説明

 力」・「応変力」・「気配り」・「ユーモア」が重要です。

 

 次に、ガイドをしている相手は、ある種の目的や期待を持ってガイドを希望される訳で、その時大事なのは、形式的な会話にならないような配慮と来訪者の目的達成のお手伝いをさせてもらっているという気持ちでしょう。

 

 ガイドに必要な知識は、本から学んだり講演会や講座を受けて得られ、月日が経つに従い自分の≪引出≫は増えていきます。しかし、ガイドテクニックやスキル、おもてなしの方法といったものは、各人が努力しないとなかなか向上しません。

 先輩のガイドを見学したり、旅先で他所のガイドの説明を聞いたりして、どのようなガイドが聞き手に喜ばれるのか、どのようなマナー・エチケットがガイドに必要なのか等を直に感じとって、自分に足りない所を補い、補正していく謙虚さが必要です。ガイドは聞く人があって成り立っている訳で、その聞き手がどう感じるかが一番大切なことです。

 

 更に、ボランティアといえども来訪者に対してはあくまでも受け入れる立場になる訳で、ガイド活動をする上での心構えも大切です。

「約束や規則を守る」、「来訪者の立場を考える」、「身だしなみや言葉遣いにも気をつける」等、最低限の公共性は守らねばなりません。

 

 

 佐倉旧城下町地区には、まちの活性化や魅力あるまちづくりの顕在的、潜在的な資源が豊富にあります。観光ガイドはこうした点在する資源・資産を線につなげ、聞き手には面として理解してもらえるような話し方やコース選択を創造することで、今後も活躍の場はますます拡大していくものと思われます。

 

5.ガイドテクニックの向上

 観光ガイドを始める時は活動内容にある程度興味がなければなりませんが、活動を通して興味が湧いてくる面もあります。また最初は知識に不安を感じるかもしれません。しかし、その後の努力でカバーする気持ちがあれば大丈夫です。

 ガイドをしている事がまちの観光資源になり、それが地域の活性化につながることを常に意識しながら、佐倉の歴史・文化、地域の産業や伝統的な生活文化などを学ぶとともに、ガイドとしての心構えや話し方についての自己研鑽も怠らないようしていきたいものです。

 

 具体的にガイドする時何に一番気をつければ良いのでしょうか。

それには案内する相手やグループと対面したとき、「何処から」、「どういう背景の人」が、「どのような目的」で来訪されているのか。そして、どの位の時間を予定されるのか等をよく感じ取り、来訪者の要望に応える為にはどのような内容・ストーリー・要領でのガイドが適切かを考えます。

 従って、大筋ではガイドする各人のガイドスタイルや話の構成というのがあっても、その時々で話す内容や話の構成・話し方・話す場所、所謂TPOや気配り、そして応変力を配慮しながら会話を楽しむことだと思います。

 大事なことは、

(1)細部に渡りすぎる退屈な案内にならない。

(2)話が一方的になったり、冗長にならないよう気を付ける。

(3)関連するいろんなテーマ・分野・物事について、普段から幅広い知識・経験を身

   に付けておく。

 当然、ガイド対象についての歴史や背景、固有の情報などの専門知識や、展示物についての関連知識は必要ですが、いくら知識が豊富で詳しくとも、又、文化についての見識や経験があっても、それをうまく関連付けて伝える説明力や会話力が乏しくては、満足のいくガイドはできません。

  ガイドの対象についての知識以外に、説明力や応変力を高めるためには、日常の情報収集や情報整理をやっておくことが大切です。

 

 ■ガイドテクニックの習得

(1)話の構成・・・歴史の好きな人、歴史的建造物に興味がある人、地の利がある

         人、全くの初心者

(2)話し方・・・・会話力、説明力、応変力、身振り、手振り

(3)手法・・・・・小道具を使うか、資料を提示するか、展示物を利用する・・・

(4)スタイル・・・やりとり型か説明型か、「屋内型」か「フィルド型」か。

         時と場所によってユーモアも必要。

 

 ■フィルド型のガイド

(1)屋外でのガイドは風上に立って話す。

(2)「××(ここ)に集まってください」、「では始めます」と声をかけ、聞き手の

  体制を待つ。

(3)まぶしい、見難い方に聞き手を立たせない。

(4)前の聞き手だけを見て話さない。

 (後ろの人にわざわざ注意を向けるようなしぐさも必要)

(5)説明内容と方向との関連性を意識する。「右に見える・・・」と言いながら別の

  方に顔をを向けるのは良くない。

以上

 

《第1部 観光ガイドとまちづくりは こちらへ》

 観光ガイドの推進は こちら

  

■コラム

(1)ガイドについての格言

・凡庸なガイドはよくしゃべる。

・良いガイドは聞く人に好奇心を与える。

・優れたガイドは聞く人に感動を与える。

  

   (2)プロのガイドに求められる要件

to be having suitable skill, knowledge, experience for some purpose

      《いろんな事項・分野・物事について、ふさわしい技量、知識、経験を

      持つ事が必要》

a tedious guide with many detail

     《細部に渡り過ぎる冗長的で退屈な案内になってはいけない》

 

   

  (3)人を案内することは、専門的な知識以外にも一般人として教養人としての

     知識、常識、経験が大きなウエイトを占め、その上にガイドスキルという

     技量が加わっていく。

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